詩人:山羊
その犬は汚れていた
その犬は足が不自由だった
その人間は不自由が無かった
ただ何かがその人間を責めた
苦しい 逃れられない重圧
その犬は何をもって生きているのか?
頭を撫でられる為か?
餌をもらう為か?
その足に枷は無いのか?
その人間には
いや俺には枷がある
何重にも何重にも
空なんて飛べないさ
その犬が戦ってた
自分の全てを守るため
命懸けで
俺には無い姿だ
考えられない
ただ何だろう
何で諦めないのか
おい
起き上がって教えてくれ
生きる意味を
戦う意味を
その犬
瞳はいつも空を見てた
遠い大きな空
昼も夜も
夜は瞳が星で輝いてた
いつも空を