詩人:竹村章紗
あれは恋だった
初恋だった
友達感覚であげたチョコレート
それがいつしか本命になって
話しかけることすら出来なくなっていった
目があっただけで見込みがあると痛い勘違いをしていた
あの子にだけからかったり引っ掛かっていたのを見ていたのに
薄々感付いていたのに…
恋して6年目やっと想いを伝えることができた
それなのに返事も聞かずに逃げ出してしまった
それから半年
卒業間近の廊下で渡したサイン帳
そこに書いてあった言葉は
「過去は忘れよう!」
過去?過去って何?
貴方にとって私の想いは過去なの!?
優しさなのか無神経なのかわからない
ただひとつわかることは私が恋愛対象じゃなかったということ
泣くに泣けない複雑な気持ち
あれは恋だった
確かに恋だった
今なら「過去」と言えるけど