詩人:柚
カーテン越しの外は
僕にはただ明るいだけで
ずっと閉じこもっている方がよかった
光の先にはなにもない気がして
ヘッドホンからの音楽
静かな部屋から
逃げ出せるんじゃないかと
自分の世界に染まれる気がして
いつの間にか目も耳も言葉さえ塞いだ
なにも変わらない朝
なにも変わらない自分
なにも変わらない部屋
一つだけ違ったのは夢を見たこと
カーテンを開けた夢を見たこと
どうなったかはまったく覚えていなくて
どうしようか迷ったけれど
そっと僕は僕の部屋に
外の光と朝の声を入れてやったんだ