詩人:杳子
あの雲が消えるころ
私はもういない
芥箱から出ると一条の光
夢から差し込んだ
鬱屈した色で唯一の光
嬉しくて泣いた
そこは豊かな灰色だった!
そこは正しい楽園だった!
それは確かな喜びだった!
そして私は思うだろう
あの雲が晴れるころ
私は羽ばたける
引力の中に彼方は佇んでいた
私は差し伸べた
色のない視界で唯一の喜び
嬉しくて泣いた
彼方がくれた愛の言葉に
二律背反、涙を呑んだ
それは確かな諦めだった!
そして私は思うだろう
引きずってきた忌むべき生芥が
私に抱きしめることを躊躇させた
私の背負う十字架はあまりに醜いから
どうか彼方は太陽の下で笑って……
あの夢が消えるころ
私はもういない