詩人:無人
四角く切り取られた狭い空 鳥は呟いた 世間が騒ぐほど悪くない 彼の鳥 頭の良い鳥
夜は暗く あまりに暗く
鳥は呟いた
世間が騒ぐほど長くはない
鏡に映る彼は道化師
心に映る彼は愚者
それは両方真実
彼の鳥は呟いた
世間が騒ぐほど君は愚かではない
黙れ 心が歪んだ
偽善者顔の観客は笑顔
隠した顔はどこにあるのか? 失せろ 心が軋んだ
彼の空は狭いのか?広いのか?誰かが決めるのか?
コンクリートの壁は感情が無く あまりに冷たかった
寂しかった悲しかった
そこに理由はない
理由はいらないだろ?
彼の鳥は呟いた
一人の夜は世間が騒ぐ以上に暗い
ある暗い暗い夜
部屋に戻る彼
部屋にいたもう一人の自分 気づけば叫びながら
叫びながら 叫びながら
殴りつけていた
そいつは呟いた
世間が騒ぐ以上に心が痛いだろ?
散らばった羽 無惨な姿の彼の鳥 頭の良い鳥
窓を開けると広がる空
狭く暗い空
何も見えない先 何も見えない未来
生まれた疑問符だけが残った
聞こえる声
世間が騒ぐほどこの世界は悪いと思うか?・・