詩人:シャンク
少年の目をして少女が笑う
冒険描きの歪んだラインが
一重瞼の上で踊ってみせる
そんな時代ってどんな時代?
気まぐれそうな唇が屈託なく割れる
今から彩られて行くであろうその前髪に
鏡のような艶美さをたたえながら
どのくらい前のことだろう
この少女に似た娘に心奪われていたのは
同じ歳の2人のはず
埋め切れないほどの距離を感じ
背伸びして 背伸びして
それでもやっぱり届かなくて
ときめいて ときめいて
嫌になる程あせりまくって
言葉にできない その物悲しさは
甘酸っぱい想い出とかじゃなく
灰色の切っ先となって
いまだに奥底に突き刺さったまま
オトナになって恋をして
その時言葉に出来なかった歯の浮く台詞を
平気な振りして吐いてみる
顔ひとつ赤らめる訳じゃなく
淡々と事務的に吐き出してみる
どうですか
響きましたか?
淡々ついでに訊いてみる
あんたって誰にでもそんなこと言ってるんでしょ
薄っぺらいオトコね
ふーん そうなんだ
期待していた通りと言えば そうだし
そうじゃないと言えば そうじゃないし
あの時の少女
どこでどうしているんだろう
間延びした その瞬間の蒼さを
取り戻す術を知ったのなら
恋することが出来るんだろうか
今でも