詩人:弓月 あお
僕にはこれしかないんだ
とか
僕にはこの人しかいないんだ
とか
何かひとつ
誰か一人に
執着を持ったことがないんだ
いつも中途半端で曖昧で
そのくせ僕を愛して欲しくて
多勢の中の一人じゃなくて
真っ直ぐ僕だけ見ていて欲しくて
堪らなく手だけ伸ばしてた
だけどね
どれだけ追いかけても
遠くなっていくばかりで
僕なんか必要ない?
途轍もなく不安になるんだよ
いつか
もしかしたらそれはすぐそばの
いつか
今手にしている
僕の大切なもの
僕の大切な人まで
すべて
消えたりしないだろうか
とか
曖昧な僕はそう
いつも
曖昧な関係
だからもっと
不安になる
分かってはいるんだ
でもね
どうすることも
出来ない僕には
曖昧な僕だから…