詩人:山羊
白い雲
アタナの笑顔
私には何もいりません
アノコの優しい笑顔を守る為
私は生を受けたのです
ある日の突然の訪問者
見上げる私に
冷たい目
何て冷たいんでしょう
何て排他的なんでしょう全身が教えた
良くない兆候だと
アノコが手を引かれ
ソノヒトに手を引かれ
外へ連れ出されました
そっちは危ないですと
声をかけます
ただアノコは悲しい目をして
ワタシのアタマをなでるだけで
ソノヒトは危ないですよ声をかけるけど
どうしても言葉が通じなくて
声枯れるまで叫ぶけれど振り返る目は悲しいままで
ワタシの視界からやがて消えそうです
この重い鎖は
体ばかりか心も繋いでしまって
大切な人が去る時も駆け寄る事ができないのです
何て彼らは自由なんでしょう
何て彼らは自由なんでしょう
首筋食いちぎり
アノコのトコまで飛んで行こうか
その場所は
知らない
けれど