詩人:村和緒
風呂場で風呂用意に栓を閉め
ボタンを押せば湯が流れる
台所の灯が消える
母の引く紐はキッチンを暗闇にする
隣にある風呂場はひとたまりもなく
自家の光を用意せぬ弱みが
暗闇を一層冷たいものに変える
想えば昨日の脱衣場での姉の滞留が思い出される
もっと遡(さかのぼ)れば姉の下着が
勝手に脱衣場に付いて来た過去も思い出される
そして今日は僕はラジオを忘れるんだ(脱衣場に)
上にいた私は
父の為にトウモロコシの食べカスと図書館の本を
食べカスはキッチンへ
本は隣の部屋へと移した。
2012/08/13 (Mon)