詩人:浮浪霊
首筋に歯を立てられ、娘は私を酷く突き放した。私は驚き、また腹を立てた。彼女の頬を張った。正気に戻すためだった。黎都は崩れ落ちた。わざとらしいものだった。
「二度と殴るな 畜生 どうして分からないんだ」
怒鳴りだす娘に、私は酷く驚き、また彼女が泣きだしたのに気付いて、ギョッとした。
宥めるべきだろうと考え、いいことを思いつく。だが、私が手を伸ばすと、黎都は悲鳴を上げた。
「触るな 其処に触るな!」
恐怖を偽る黎都に私は動揺し、また怒りに駆られ吠え立てた。糾弾するため、彼女を罵った。恥ずかしくないのか私に申し訳なくはないのか何様のつもりかまるで淫売だお前が悪いんだお前がお前だけがお前が私を愛そうとしないから!
すると彼女は頬を押さえて絶叫した
「僕を否定するな、被害者ぶるんじゃない 罵詈も要らない 淫売呼ばわりを止めろ!」
「僕の愛が欲しいなら」