詩人:甘味亭 真朱麻呂
『どうだっていい…』
僕はいったい何度そうやって目の前の現状をはぐらかしてきただろう
たくさんありすぎて数え切れない程だ
まるで現実という狂暴な化け物からひたすら逃げるかのように
僕は頑なに部屋に閉じこもった
自分の妄想に溺れて
這い上がれなくなるまで沈んでしまっていた
気が付けばひとり孤独の中
見渡せば限りなく続く鬱陶しいくらいの自分の世界
でも
自分からぬけだそうだなんて今更思わない
居心地がよくなってしまったから
もう 多分
永遠に抜け出せないだろう
だから
僕は自分の中にある現実を残らず破壊した
記憶から抹消してしまった
僕は現実にいながらも
夢うつつ
永遠に偽りの国の偽りの主人公を演じきるんだ
孤独と悲しみの舞台上で。