詩人:どるとる
春を待っている 坂道は 遠く私を見下ろしている
青い空に白い雲を描いた 水彩画のような
当たり前な風景の中に 大切なものがいくつも見える
それは光瞬く景色
固く閉じた蕾のように 僕も春を待っている
何もかもが 止まって見えるよ
流れる時の欠片 一分一秒が陽射しに照らされ ひとつひとつが輝いている春待ち坂
夢を見ている 微睡みの中で 縁側日向ぼっこ
適当に描いた 景色のようなのに どこかわかっていたように
それは魔法のよう
描かれた世界がそのまま僕らの全てになる
何もかもが 特別に見えるよ
ただありふれた景色の向こう 見えるもの聴こえるもの 光を放つ 春待ち坂
何もかもが 止まって見えるよ
流れる時の欠片 一分一秒が陽射しに照らされ ひとつひとつが輝いている春待ち坂。