詩人:高級スプーン
寄生虫を飼っている
頭の中に数百匹
正確な数は知らないが
性格は分かってるつもり
三食昼寝付きの狭い宿屋を
与えてやる代わり
俺に情報を寄越せ
世界はどうなっている
寄生虫が触手を伸ばし
空高くアンテナを張る
基本的に無個性な彼等は
外を真似る事に長けている
透明な身体が
次々と色付き始める
やがて俺の頭は
虹のように黒くなる
可哀想な的を射る
可哀想な鳩に刺さる
可哀想な人に変わる
人面世界のモデルは俺だ
模倣していただけの筈が
ただただ無料で
犯していた結果に
食べてしまったものは
消化し切れず
現実に嘔吐し
表に流出する
有害な主張を撒き散らす
街全体が俺に孵る
一市民から
侵略者として寄生中
被害妄想で被害拡大
ノンフィクションなのが
やるせなく痛い
可哀想な人が居る