詩人:猫の影
貴女の髪の香り
抱き締めた腕の感覚だけ
少し思い出せる
吐いた煙
指先に巻いて
屠った肉も
うまく噛み切れなくて
わかってはいた
虚しく笑ってもみた
何か手にしたような
それだけの感覚
貴女の肌の温もり
寄り添った頬の感覚だけ
少し思い出せる
吐いた糸を
指先に巻いて
放った言葉も
うまくいかなかった
わかってはいた
虚しく笑ってはみた
何か失った様な
優しい感触
貴女の髪の香り
抱き締めた腕の感覚だけ
少し思い出せる
わかってはいた
虚しく笑ってはみた
何か失った様な
優しい感触
2010/09/23 (Thu)