詩人:猫の影
少し寒いので、ダウンを着た
ベランダにイスを置いて、煙草を吸った
メンソールの香りが、鼻をさす
見上げた空は、優しく星がまたたいていて、
紳士的な黒が、その後見をしているようだ
思い出すものが、楽しい思い出ばかりだった
2人で見た後楽園のライトアップ
初めて渡した誕生日の贈り物
震えながら重ねた唇
うまくいかないことの方が多い
いつか好きだった人が言っていた
そんなことは、わかっている
そんなこと、わかっているのだ
いつから僕たちは、つらいときに連絡が出来ない仲に、なったのだろう
いつからなのだろう
少し大きな電話が、僕の手から滑り落ちた