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詩人:ハト
あなたの言葉は雨
私をぬらしはしても
私のものにはならず
すぐ乾いて
何事も無かったかのように還っていってしまう
極力、傘は持たない
持ち運びが面倒で
しかもよく置き忘れる
私はあなたになりたかった
姿見に映る自分自身が
段々と見えてきた
いや、映っているものが
理解できるように
なってしまったものだから
あなたの言葉は雨
乾いたアスファルトに
水玉模様を描いている
私は蛙にすらなれない
待ちわびて
待ちわびて
打たれたと顔をあげた
その瞬間から
雨は乾きだすものだから
笑ってしまう