詩人:ノリ
ボクは樹から落ちたんだ
ハイエナの群れは
ひそひそ声で
笑ってたけど
だけど大好きな樹なんだ
いつも登って眺めてた
色んな樹があるんだなって
一番お気に入りの樹の上で
いつもの景色を眺めてた
そんな毎日が楽しみで
その樹はとても大きくて
支える枝は無数に伸びて
ちょっとやそっとぢゃ
踏み外さないから
落ちやしない
眼を瞑って登ってた
だけど
脆い部分があったんだ
踏み付けたら支えられない
その樹の一番弱い枝
ずっと登ってたはずのに
全然気付かなかったよ
お気に入りの大きな樹
一番居心地良かったな
その樹の一番脆い枝
もう一度登って
今度はボクが支えるよ
雨の降る日に
ボクがその枝身体で覆い
風の吹く日を蹴飛ばして
毎日 毎日 支えるよ
いつかまた
この樹と共に暮らす為
登って未来を眺めたよ
ボクの大切な
大きな大きな
止まり樹の上で