詩人:ふくざわゆいと
独りには慣れていた
気楽だとさえ 思っていた
なのに そんなボクの前に
ある日突然 キミは現われて
キミは不思議な人だった
何の魅力もないボクに
話し掛けたり 世話を焼いたり
ボクの代わりに泣きだしたり
なぜか いつもそばにいてくれた
ボクがキミの名前を呼ぶと
必ず 笑顔がそこにはあって
いつの間にか ボクの心は
キミに惹きつけられていた
けれど キミはいなくなった
あまりにも 突然だった…
三年前の今日 キミは静かに
息を引き取った…
キミを失って ボクは泣いた
心震えて 枯れ果てるほど
独りには慣れていた
けれど 二人でいることの
楽しさを知ってしまったボクに
キミのことが好きだと ようやく
気付いたボクに 独りは身に染みた…