詩人:猫の影
するりと抜け落ちる音その鮮やかさったらないストンと腑に落ちる音そのまろやかさったらない指に巻つけた糸あなたにはほどけるのかしら憎んだところでなにも変わるわけもなかろう不敵な笑みを浮かべてみたがしかし、うまく描かぬカーブ口角が引きつったのさ引きつったんだってクルリと風を切る音その軽やかさったらない僻んだところでなにも、なにも、なにも素敵な笑みなど並べてみたところで、うまくいきやしないんだ方角が間違ってるぞ間違ってんだってどう転びたいのだ