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[184514] 遺言

詩人:どるとる


たとえば今日 すれ違った人の
明日を僕は知らない
同じように その人だって僕の明日を知ることは多分無い

そんなふうに 繰り返すもの全てに
悲しみや喜びが 寄り添っているんだ

ここにあるもの もう何処にもないもの
それは誰のせいでもなく なんのせいでもなく あるべき場所へたどり着くのさ

今日が僕にとって最後の日だとして
どんなふうに 過ごすかを考えたら

結局 思いつかないまま夜になっていた
書き損ねた 嘘っぱちの遺言は 誰にも届かない

いいさ 僕は明日も生きているだろうから

流れる人波の中を 歩いてたら
誰が誰だかわからなくなることがある
同じようで似て非なるものを 誰しもが抱えたまま 今を生きているんだろう

夕暮れの道 足元に揺れる影が 泣いているように見えた
きりもなく繰り返す 自問自答 「僕はどうして生きているのか」

なんとなく死にたくなって 高い屋上にのぼってみたけれど

そこから見える夜の街の明かりが
あまりにきれいで 死に損なった でもそれで良かったと思える

そんな今日があることを僕は知りました

ああ 生きていて良かった 本当に良かった
当たり前のようにそう思える今は間違いなく幸せさ

今日がどんなに苦しくたって 今日を越えたその先に

暗がりを照らす眩しい光が 生きている尊さを おしえてくれるから 今は痛みを抱いたまま 生きていこう 生きていこう。

2014/04/02 (Wed)
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