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詩人:高級スプーン似
はじめは気付きもしなかった
目が合ったのは
物心ついてすぐの時
むやみやたらと飛び起きて
遠ざけたのは少年のじぶん
受けいれられずに
背ける背にも
酷薄にも刻一刻と
近付いてくること
わかってしまう
今も変わらず耳を塞いで
こうして
気を紛らわしているというのに
「おいでおいで」しているよ
これ以上は蛇足だろうと
筆を置いたあとに
思い描く
心象の景観の中で
異彩を放っているから
続きは
期待できない岸の向こう
載せられないのが残念だ
本当にそう思うのか
いかがわしいところ