詩人:猫の影
冬の寒さを思い出したように凛と浮かぶ月を見上げた広げた手の平の肌が軋む少しピリリと音を立てる肩をすくめるこの時間が思いの外素晴らしいことのように思えて思えた冬の寒さを噛み締めるように凛と澄んだ風を吸い込んだ吐いた息が宙に溶けるクルリと輪を描いて冬の寒さを思い出したように凛と浮かぶ月を見上げたんだ