詩人:どるとる
届かないと知りながら
空に手を伸ばしてみる
つかめないと知りながら
雲に手をかける
見えないとわかってても
見えるって
聞こえないって知ってても
聞こえてるって
ふれられないものすべてに 笑いかけるように
見えるものや聞こえるものの向こうにある 何かに手を伸ばす
そこにある 愛を 心をただ無いと
言い切ってしまうのは名残惜しい
だから 僕はもう会えない人の影を
指でなぞって いつか触れたそのぬくもりを 思い出すんだ
届かないと知りながら
空に手を伸ばしてみる
空を切る 僕の手が
唯一 つかんだのは
いつかあなたと撮った写真
形あるものだけがすべてだとわかっていても まだ 僕のこの手にあなたのぬくもりが燃えてる
そこにあった熱を 時に冷たく 凍えた手を 僕は知っている
この胸を埋め尽くさんばかりに刻んだ
思い出は もう増えることはないけれど
そこにある 愛を 心をただ無いと
言い切ってしまうのは名残惜しい
だから 僕はもう会えない人の影を
指でなぞって いつか触れたそのぬくもりを 思い出すんだ
今はもう ふれられない 人の肌を
確かにつかんでたこの 手が覚えてる ぬくもりに寄りかかるんだ
いつかは捨て去らなきゃと 知っているんだ。