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[184610] 路地裏物語

詩人:どるとる


猫は伸びをして
あくびする

路地裏の影に
明かりが灯った

水銀灯に照らされた細い道 羽虫が飛ぶ

幸せなど 多分
わからない
しかも曖昧
哀しみもおんなじさ

路地裏に訪れるのは
いつもと違う朝
路地裏に訪れるのは
いつもと違う夜

誰かの暮らしの端っこでひっそりと続く夢物語

ここには きっと
誰かが忘れた
靴の片方が
落ちているのでしょう

ここにはいつしか
誰かが忘れた
本当の幸せが
あるんだよ

曲がり角の先には駄菓子屋
めったに客の来ない店の奥でうたた寝するおばあちゃん

家と家の境から
のぞく青い空

鳥が羽を休めてる

僕も伸びをして
あくびする。

2014/04/11 (Fri)
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