詩人:高級スプーン似
悶々と罪を犯す
性欲を全部
削ぎ落しても
その柔らかな乳房
愛おしく思えるだろうか
石膏像にはない魅力
適切な温もりをそのままに
相変わらずのきみを抱いた
頂きから
突き落とされる手前までは
小難しく考えるのをやめても
シャワーの音を聞きながら
ふりだしに至る
間抜け
また登るのか
空を見上げて
晴れた顔など出来はしない
どうせまた
同じ想いを繰り返すくせに
悶々ときみを裸にする
頭も性器も全部
削ぎ落とせば
ぼくという人間は残らない
身も心も燃焼し
どれだけデトックスしても
なくならない皮と肉
そこに己がいなくても
食べない
ヤラナイ
眠らない
そんな人間は
とっくに死んでいるから