詩人:さみだれ
少女は
日記を残し死んだ
早すぎる死だった
学校は緊急集会が行われ
校長はいつもより語気を強めていた
親戚やクラスメート
近所のおばさんや知らない人
客間いっぱいに詰めこみ
木魚が鳴り始める
肌寒い初夏の頃だった
"魂を後ろ手に閉めた"
それは少女の精一杯の反抗だった
神様に左右され生きるしかできない命を
少女は忌み嫌った
それは個という存在を認めない人への
皮肉でもあった
少女はもう呼吸すら満足にできなかった
命というものを自由に生かしてやれない
少女は嘆いた
心の中で、夢の中で、この詩の中で、
少女はまだ間に合うと信じたかった
けれどもそれは他人によって無惨にも砕かれた
誰も私を知らない
誰も命を解そうとしない!
誰もみな自由に生きている
そう思い込んでるんだ、と