詩人:香奈
一枚のボロボロの雑巾
『僕はもう使われない』
見た目は汚いし
臭いし
汚れを拭き取れない
拭き取ろうとすれば
僕自身の汚れで
更に汚してしまうよ
『僕はいらないんだ』
「そんな風に自分を傷つけないで」
誰かが言った
『だって僕は汚いし…ボロボロなんだよ
誰も僕を必要としない』
そしてまた誰かが言った
「…あなたはボロボロの雑巾だけれど」
『…』
「ボロボロになるまであなたは汚れを綺麗にしたのよ」
『…?』
「最初は綺麗な布だったけど、あなたはたくさんたくさん汚れを綺麗にした。
あなた自信がボロボロになるまで
…頑張ったわね」
一枚のボロ雑巾
汚いし
臭いし
もう使われない
けど
僕は
誰かの役に
たてたんだよね
それなら
それならば…
嬉しいなぁ…