詩人:どるとる
死にたいと言う人がいました
でもその隣で
生きたいと言う人がいる
同じ世界で生きているのにすれ違う気持ち
見えるものが同じでも 見え方や考え方が違うだけで
世界は醜くも美しくも見えるんだね
生きたいと思えば思うほど 遠ざかる光
希望のない世界ではきれいごとなど むなしいだけだろう
だから今、終わろうとしている命に
歌いかけるべきは生きることを 押し付けない
ただおまえの存在を認めてくれるやさしいうたなんだろう
死にたいと言う人よ聞いてくれ
その隣で笑う
生きたいと言う人よ席を外すな
私には関係ないとほざくその口を 閉じて耳をとがらせて
僕の歌を聞いてほしい 当たり前なことを真面目に言うぞ
「生きる勇気こそが本当の勇気だ」と
この世界は美しい でも同時に汚い
そこに生きる人の心が荒めば 世界も荒んでしまうんだ
だから、今 投げ出されようとしてる命に語るべきは もっともらしい理屈じゃなくて
おまえのことを心から愛していると
抱きしめてくれる そんなやさしい人なんだ
「生きていれば必ずいいことがある」
保証のない 身勝手で空っぽな歌ばかり
あふれたこの世界を壊すような
「ない希望はない」と真実を語る歌はないものか
願わくば歌わせておくれよ 血を流すような 体温のある歌を
だから今、終わろうとしている命に
歌いかけるべきは生きることを 押し付けない
ただおまえの存在を認めてくれるやさしいうたなんだろう
ただおまえが生きてることを望んでくれる そんなやさしい人なんだ。