詩人:どるとる
夕焼け空と帰り道
窓の外に まなざしを投げてみる
道を歩く人の影が長く伸びて まるで背伸びしているよう
ああ 今日もいろんな事がありました
でも疲れ果ててうまく全部は思い出せない
瞳を染めるのは
きれいなあかね色
あなたの帰り道に
そっと寄り添ってる
さよなら さよなら
手を振る 君の姿が
遠ざかってゆく
残した傷跡が少しばかり
開いて そこから涙があふれる
硝子細工の中のようなぼんやりとした 意識をぶら下げてる
ああ 今日もたくさんの人と会いました
どんな人も僕と同じように生きてる
心を染めるのは
優しいあかね色
あなたの涙を
ただ黙ったままで
空の遠くから 見下ろしている 夕闇が近づけばすぐに夜が来る
もう泣いてもいいよ
誰も見てないから
ずっと我慢してたんだね 優しい君は
悲しくないふりして誰にも迷惑かけないようにと振る舞ってたんだね
僕は知ってるよそんな君のこと
瞳を染めるのは
きれいなあかね色
あなたの帰り道に
そっと寄り添ってる
さよなら さよなら
手を振る 君の姿が
遠ざかってゆく
そして僕は遠ざかる君に聞こえるように大きな声で言うのさ
「また明日ね」