詩人:どるとる
ああ 言葉にならない気持ちになったとき
人は深い深い感嘆の溜息を吐くんだね
ああ 本を読み終えた時に似た気持ちさ
何もかもを悟ったような気持ちさ
何かの始まり 或いは終わり
誰かの始まり 或いは終わり
ほら見てごらん路地裏
屋根の上赤く燃える空 もうじき日が落ちる
うれしいときは 素直にうれしいって言いなよ
悲しいときは 嘘をつかずに悲しいって言いなよ
見た目よりずっと脆くてか弱い
君の心はまるでびいどろ すぐにひび割れる
時には優しさに寄りかかり 弱い部分を見せて
傷跡にさわらせて心さらけ出して
ああ 目を閉じるときの闇のようなものさ
一瞬で過ぎるよ 痛みも安らぎも果ては人の命も
ああ 眠りに落ちれば誰もがひとりさ
そこには悲しみも喜びもないのです
物語の始まり もしくは終わり
永遠の始まり たとえば終わり
ほら見てごらん 胸の中 まぶたの裏 ひも解けばすべてがまやかしの類 目に見えぬ幻
寂しいときは素直に寂しいって言いなよ
辛いときはねえ 辛いって誰かに頼りなよ
誰かに愛されてないとすぐに寂しがるくせに
強がってる 君はびいどろ とても崩れ易い
世界にただひとりの人に 世界にただひとつのものを届けるように それは形を成して やがて出来上がる
それが「愛」だよ
見た目よりずっと脆くてか弱い
君の心はまるでびいどろ すぐにひび割れる
時には優しさに寄りかかり 弱い部分を見せて
傷跡にさわらせて心さらけ出して。