詩人:どるとる
猫じゃらしが
夕暮の風に
揺られている
もう帰る時間さ
チャイムが鳴った
公園には残された
砂山とシャベル
青いバケツ
「さよなら」が言えなくて 口を噤んだのは
せめてもの抵抗 僕は切なさに焦がれてた
だから ごまかすように口笛吹いたんだ
がまの穂が
並んだ道を
僕は歩いて帰る
どこか切ない気持ち
この胸を覆ったら
涙がほほを伝う
大好きな人もこんな気持ちになるのかな
「また明日」って言葉で苦いさよならを
オブラートのように包んで痛みを和らげる
でもほんとのとこは何も変わらない
得体のしれない 痛みにひとり向き合った
向き合っていた 今も向き合ってる 誰も皆同じさ
「さよなら」が言えなくて 口を噤んだのは
せめてもの抵抗 僕は切なさに焦がれてた
だから ごまかすように口笛吹いたんだ。