詩人:Ray
あなたが居る
その隣で
あたしは
あの子のことを 想った。
ほんとは この場所には
君と来たかったんだよって、
はしゃぐあなたの隣で
君と来ていたら
どんなにまた 幸せだったろうと、
嬉しそうに笑うあなたの前で
あたしはそんなふうに思ってた。
ごめんね、と
心の中で
あなたに謝りながら
何度も 何度も
切なさを 押し殺した。
君に内緒で
ここへ来ていること
その事実だけで
あたしの心は十分に傷んで、
その傷が化膿していくのに出来るだけ気付かないように、
あたしは
いつも通りのキスを
あなたにあげた。
『ごめんね』とあなたに囁いたら、
あなたは
『何が?』と言った
微笑みながら
『こんなに、好きになって。』
あたしが言うと
あなたは
幸せそうに 笑ってた。