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[184771] いとしい光

詩人:どるとる


見えざるものと手をつなぐ
見えざるものとぬくもりを分かつ
それだけでいい
見えないものが見えるんだ

聴こえざるものに耳すます
聴こえざるものに心をあずける
不安なことなんて何ひとつないんだ

そこにあるものをただ其れと呼んでしまえば
きっと容易く命など この指の隙間から抜け落ちる

だから不器用な言葉と声で生きているって叫ぶのさ
それはまるで心を編み上げるように 少しずつ形になってゆく

いとしい光 あなたの足元をやさしく照らしている

語らざるものに何かを重ねる
語らざるものに手を伸ばす
それだけでいい
なんとなくここにあるってわかる

愛されざるものに まなざしを配る
愛されざるものの傍に寄り添う
「多分」とか「おそらく」なんて言うよ

そこにあるものの影を指差して 確かなものだなんて
なんの意味もないんだ だって僕ら悲しいほど摩訶不思議

だからわからないすべてをわからないまま抱きしめるよ
いつしかそれは光となってあなたの心に降り注ぐからね

まぶしい光 何故だろう目を開けたままでも平気さ

この手のひらに 生まれる熱は本物
だけどそれだけではあまりにさびしい

だから不器用な言葉と声で生きているって叫ぶのさ
それはまるで心を編み上げるように 少しずつ形になってゆく

いとしい光 あなたの足元をやさしく照らしている

あなたの命の輪郭を静かに縁取っている。

2014/04/24 (Thu)
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