詩人:猫の影
ポロリ落とした林檎がグシャリ音を立てて地に散った涙が出た林檎の為じゃない 自分のために泣いた生きるということは、産まれて熟れてそしてポロリと落ちてグシャリと散ることそんな単純なことそういうシンプルなこと涙を落ちるままに砕けた林檎を片づけた箒で掃いて洗剤を付けた雑巾で拭いた林檎のあった場所には何も残らない香り一つも残さない生きるということは きっと そういうこときっと そういうことだ