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詩人:どるとる
星を渡る風
夜をゆく人を見送って
さよならさえもないままで
朝は静かに訪れる
扉の向こうは
目映くて きっとすべてを覆ってしまう
悲しさや寂しさや
言い知れない
気持ちや 忘れたくない思い出を
僕らはどこまで 抱きしめていられるのか
麦畑 バスケットいっぱいのサンドイッチ
ラジオから流れるカントリーソング
ぬけるような青い空とオレンジジュース
それだけあればいい
牧場の朝は早い
カウボーイ気取りの太っちょは牛たちを起こす
世界はまだ少し
夜の名残を残したままで遠くの空に朝日が昇るまで
夢うつつのまま
牧場娘は 干し草の上に寝転がる
お腹だけは正直に
時間通りに鳴る
ぐぅ ぴぃ どぅ。