詩人:どるとる
寂しさなんてものは隠れていて見えないものなんだよ
いっそ箱の中に閉じ込めてしまいたい
ずっと埋まらない穴を埋めているようさ
吹き込むすきま風は心を冷やしてゆく
悲しいと叫べるものならばきっと誰も
孤独なんかにはなりはしないだろう
日陰に咲く花に陽射しはいらないさ
暗闇の中だって息をすることは出来る
そしてまたひとつふたつ増えてく穴を
絶え間なく僕は埋めていくだけだ
夕暮れの道に影を落として遠く聴こえるチャイムの音
さよならをするにも手を振る人がいない
最初から空いてない穴を埋めている
「希望」なんてものに明日を望むのは
愛しいものは自分だけだと世界中にただひとつだけの
存在の僕や君の命に歌う 最初で最後のやさしいうた
やがて、すべての時間は終わって 僕は静かにまぶたを閉じるだろう
とりあえず生きているふりをしながら
隠せない寂しさはみ出したままの心で
あらゆるものと向き合って生きていく
悲しいと叫べるものならばきっと誰も
孤独なんかにはなりはしないだろう
日陰に咲く花に陽射しはいらないさ
暗闇の中だって息をすることは出来る
そしてまたひとつふたつ増えてく穴を
絶え間なく僕は埋めていくだけだ
おそらくその穴は
「自分」という穴だ。