詩人:どるとる
名前のない誰かが名前のない場所に名前のない種を蒔きました
名前のない人が育て名前のない愛情を注ぎ名前のない憤りを抱きました
時に傷つけ 時に愛しあって 名前のない花は名前を名づけられました
その名前と共にあなたは今生きている
あなたはあなたであって
あなたは他の誰でもない人で
何者でもない 名もなき存在で
それでもそれだけに尊くて
それでいて愛しくて 名前のないぬくもりに抱きしめられてる
ほんとうは愛には 名前なんかいらない
名もない愛に今日もおまえは生かされてる
名前のない誰かにとりあえずつけた名前はお粗末で呼ぶことさえ恥ずかしい
嘗て「悪魔」と名付けられた子供がいたけれど 親に心はあったのでしょうか
時に雨に濡れ 時に陽射しに焼かれ 今日までなんとか歩いてきました
そんな当たり前なことを誇りに思え
あなたはあなたであることを
自分でわかっているのですか
あなたがあなたであるように
僕が僕であるようにそれは違えなく
紛れもないたったひとつの真実
「生きている」それ以上何があろう?
完璧な愛なんてあろうはずもない だけど 不器用なりに愛すべき人と向き合う日々を生きよう
あなたはあなたであって
あなたは他の誰でもない人で
何者でもない 名もなき存在で
それでもそれだけに尊くて
それでいて愛しくて 名前のないぬくもりに抱きしめられてる
ほんとうは愛には 名前なんかいらない
名もない愛に今日もおまえは生かされてる。