詩人:どるとる
ゆれるように そこにいて
ほころぶようにほくそ笑む
愛しい人よ 今日も疑う余地もないほどに
僕はあなたを愛してる
あなたは僕を愛してる
たった一度の 時間の中で いくつもの悲しみや喜びを抱えて
今日もあなたは自分が思うよりずっと器用に生きてる
「何も出来なくてごめんね」っていうあなたの口癖に
僕は何も言い返せなかった
あなたに出来ること
ずっと探してたんだ
でも どうしてだろうあなたのくれた愛に 見合うものが見つからないよ
たまらなくなって泣き出した僕をあなたは 何も言わずに抱きしめたんだ
愛なんて目には見えなくて
だからこそ雲をつかむみたいに
手探りで 傷つけたり詰ったりしながら
答えなんてありもしないものを
二人でずっと死ぬまで
悩んだり 迷ったり落ち込んだりもして
少しずつ ほんとにちょっとずつ
見えてくるものを 僕らは臆面もなく愛と呼ぶんだろう
それはまるで遠く揺れるかげろう
哀れむようになぐさめて
讃えるみたいにして茶化す
そんな時ほど嫌というほど自分の弱さを垣間見る
僕はあなたを傷つける
あなたも僕を傷つける
けっして完璧じゃない二人はいつも出来損ないの愛情表現で
見えないままの未来や漠然とした不安にものの見事に打ちひしがれながら
「ごめんね」とか「ありがとう」という言葉を酷使しながら傷を舐めあう
絵に描いたような幸せをずっと望んでた
でも どうしてだろう 追いかけるほどに遠ざかるばかりさ
時折 自分の弱さをあぶり出されてあなたを傷つける自分がとてつもなく嫌いになる
愛なんてきれいごとの塊で
ほんとは傷だらけの粗悪品さ
それでもその傷のひとつひとつを
愛せる人だけに 見えるものがある
だから 僕は絶え間なく探してく
答えのない ましてや形のない愛を
そして いつのまにかそうやって大事にしてきたものが愛なんだと知るだろう。