詩人:どるとる
嘘をつくなら
どうせつくなら
誰かを守れるような嘘をつきたいな
でもどんな嘘をつけばいいんだろう
わからない わからないよ
好きでもない人に
好きと言ってみたり
醜い人に向かって
きれいだと言ってみたり
居たくもない場所で話したくもない人とさも楽しそうに生きるのが人生ならば今すぐ死んだほうがいい
いくつもの嘘を重ねながら
いろんな嘘に塗(まみ)れながら
ついた嘘の数だけずる賢くなっていく
そんな僕を誰かの瞳が悲しそうに見ている
それでも僕は何かを守ろうとしていたよ
その何かっていうのは自分自身だった
嘘をつかれるなら
つく側になりたい
いじめられるより
いじめる側がいい
でも、悪者にはなりたくない
だけど口ばかりの正義も嫌だな
流れる人ごみをただずっと見ていた
誰も皆 それぞれの今を抱え 生きてる
したくもないことをして
ばかみたいに笑って
嘘をつくのは悪いことと教えた大人が平気で嘘をついている
矛盾や理不尽の雨にさらされて
附に落ちないことばかりだよ
いつの間にか嘘をつくことが
悪いことだとも思わずに 今日も本音を包み隠して生きている
それでも僕は正しいことは正しいと言うよ
そこにわずかなりとも心が見えるなら
いくつもの嘘を重ねながら
いろんな嘘に塗(まみ)れながら
ついた嘘の数だけずる賢くなっていく
そんな僕を誰かの瞳が悲しそうに見ている
それでも僕は何かを守ろうとしていたよ
その何かっていうのは自分自身だった。