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[184860] うたかた

詩人:どるとる


気泡のように 生まれては消えてく命が
紡ぎ出す物語を君は知っているのかい

終わりあるこの世界にも ねえ終わらないものがあるんだ

流れ行く季節にどれだけ突き放されるだろう

寄せては返す時の中に 少しの幸せがあれば

うたかたでもいいさ
一瞬の風になって
誰かの記憶の中に少しのあいだだけ
残っているだけの存在ならば
誰の記憶の中にも残らなくてもいい

散っていく花の名前など知らなくていい
ただ忘れないでいてね どんな命もいつかは跡形もなく消えてしまうこと

この世界は いわばひとつの毛糸玉
ほころんでいくのは時間が流れてるから

誰かを愛おしく思ったり慈しんだりする気持ちと憎しみや殺意は同居してる


同じ世界の出来事さ 目をそらさないで 血が流れる様から

それは 光と影の相関図 よく出来た神様からの贈り物

うたかたでもいいから 愛されていたいと思う
不覚にも誰かに そばにいてもらいたいと思う
たとえこの命が明日をもしれぬ命でも
永遠より長い刹那の時を僕は生きたい

つかの間に過ぎる風の匂いを覚えていてね その風はあなたを不器用に包んでいたことを あなただけは知っているから

それだけが希望です
ああ 生きていて良かった
生きている証をくれるのはいつでもあなたであってほしい

うたかたでもいいさ
一瞬の風になって
誰かの記憶の中に少しのあいだだけ
残っているだけの存在ならば
誰の記憶の中にも残らなくてもいい

散っていく花の名前など知らなくていい
ただ忘れないでいてね どんな命もいつかは跡形もなく消えてしまうこと

いつかあなたを抱きしめた時のぬくもりを 僕はまだ覚えてるよ 空の向こうには何も持っていけないけど
共に刻んだ思い出だけはきっと忘れないでいたい。

2014/05/02 (Fri)
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