詩人:どるとる
僕らは道端に 咲いている名もない花のようなものです
たまに吹く気まぐれな風に 心揺らして
降り注ぐ雨に 涙を紛らせたりする
どれだけの悲しみを どれだけの喜びを
僕らは繰り返すのだろうか
そしてあとどれくらい生きていられるかな
答えはいつも闇の中さ この両手じゃちっぽけな星さえつかめやしない
花のように ほころんで
時の中を たゆたって
ただそこに 咲いていればそれでいい
意味や理由なんかなく
生まれたことさえもわからないまま
それでもあんなにきれいに 咲いている花になりたくて
僕らは道端に 転がってる空き缶か吸い殻のよう
所在なげに 景色の端っこで背景のように
広い世界の物陰でひっそりと息をする
どれだけの幸せを
どれだけの傷跡を
抱いては捨てるのだろうか
そしてどれくらいの人を愛せるだろうか
答えはいつも雨雲の向こうさ 雨に濡れなきゃわからない
花のように ささやかで
時の中に たたずんで
ただそこにあなたがいることで
それらしい意味なんかなくても
それはだけで意味のあることだ
丁度、花のように きれいな命の生き様を見るから
花のように ほころんで
時の中を たゆたって
ただそこに 咲いていればそれでいい
意味や理由なんかなく
生まれたことさえもわからないまま
それでもあんなにきれいに 咲いている花になりたくて
ただ咲いているだけできれいな花になりたくて。