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詩人:雪 刀寿
産まれて大声で泣き疲れたから、僕はしばらく眠った
いくつもの光が次々に浮かび上がり、影がそれにおおいかぶさって暗くなって消える
そうして「今度こそは生き続けるぞ!」と、自分の意志が内臓の底から本気のちからで湧き上がる
きっと日本人で生まれてくる前の、他の国の人だった時とか、
違う動物や植物だった頃の残骸だと思う
いろいろな生物の歴史がこの身の中を生まれかけては消えていった
でも、生き残っているから、今ここにある熱こそが僕にとっては一番強い光だ!
親のこごと、兄弟の甘え、友のさぐりを入れる目、
いい人(?)の具体的現実の期待感にあふれた視線・・・・
そういう実際の感覚によって、自分で物を思ってなぜか納得する「安心と満足感」のおかげで生きているみたいなもの