詩人:微笑人
華やかな世界へ憧れる
NYの街
一人前に批判はせども
44丁目
ブロードウェイの渦にまかれたい
だけれども
雲を掴むようなことを
あきらめきれない
そんなオトナにはなりたくなくて
だけれども
手の届く
現実ばかりに囲まれて
腕を伸ばすことに疲れてしまった
そんなオトナにもなりたくなくて
見上げた空は高くて
それは昨日よりも高くて
明日は今日よりも高くあるのかもしれない
半径Xの世界から抜け出せない
腕はちぎれると痛いから
ほどほどにかざしておこう
目は明るいものを見過ぎると
眩んでしまうから
見開かないでおこう
いつのまにか
感じられるのは生暖かいいつもの風
いつのまにか
触れられるのは必要最低限の常識
いつのまにか
目に入るのは見慣れた鏡の中の冴えない瞳
夢は語るもんじゃない
なんて歌詞があったのは
研ぎ澄まされた感覚を持っていたあの頃
この空は
昨日よりも青くて
明日は今日よりも青いだろうに…