詩人:どるとる
誰かを思う気持ちだったり誰かを気遣う気持ちは
ありふれているかい?でも大切な気持ちだろう
これだけたくさんの人がいるのにねえ
時に目の前で傷ついている人に
差し伸べる手を 持っているのに
僕らはどうして 素通り出来てしまうんだろう
人の心のあたたかさを知っている
知れば知るほどこんなにも
人が好きになるのに
どうして、見たくないずるさまで
見えてくるんだろう
目は反らせない
それもまた人だから
すべて分かり合えなくても
すべてを愛せなくても
憎めない 僕もまたあなた同様に悪に走る人だから
毎日のように 誰かが誰かを殺めたなんて
目を塞ぎたくなるようなニュースが尽きることなく流れる
どれだけたくさんの人がいても
そこに心がなければ意味はない
傷つく人を労る気持ち
悲しむ人を慈しむ気持ち 持っているだけじゃ手持ち無沙汰さ
人に傷つけられたこともある
人に蔑まれ 貶められた事もある
それでもきりもなく人と向き合い
人の優しさに包まれて 人が嫌いになった自分を恥じるまでに 人が好きになる
人の心は裏表 けして誰も完全に悪者にもなれず かといって正義も貫き通せない
それでも僕はそんな人が好きだ
悪い心の中にも ちゃんと温かな血が通っているから
人に抱きしめられた時の
あのぬくもりだけは嘘じゃない
ほら簡単なことじゃないか
人の弱さにつけ込んで ただそれを非難するだけなら容易い
でも、その弱さを指差す姿はそれより弱く浅ましい
すべて分かり合えなくても
すべてを愛せなくても
憎めない 僕もまたあなた同様に悪に走る人だから
人の心は裏表 けして誰も完全に悪者にもなれず かといって正義も貫き通せない
それでも僕はそんな人が好きだ
心はちゃんと 誰かの痛みを受け取って
温かな涙を流すから。