詩人:どるとる
名も知れぬ街のどこかで
名も知らぬ誰かが朝を待っている
見上げた空は どこまでも果てしなく
ただ、見上げる誰もを
圧倒的な その大きな全身で包むだろう
僕もまた 一人 朝を待っている
君が見上げる空と同じ空を見上げてる
いうなれば僕らは流れ星のような命
絶え間なく暗闇に吸い込まれていく光
朝を待つように 夜を待つように
誰かの帰りを待つように
静けさの中に音を探したり
ほんの少しの夜の肌寒さの中に
小さなぬくもりのかけらを探したりしてる
名も知れぬ花の名を呼ぼう
もしも名前がないなら名付けよう
夜の名前 思い出そうとしては
思い出せずに ごまかすように
意味もなくじゃれあった
犬が尻尾を振るように
君もまた一人 朝を待っている
遠い夜明けを呼ぶように ほら今
いうなれば僕らは絶えず朝を待つ光
少しずつあの空に命を返す役目を担う
笑い出すような 泣き出すような
どっちつかずの表情で
ポケットの中のあめ玉を探ったり
たいしてうまくもない嘘をついたり
何かをごまかすように口笛吹いたりして
僕は僕の居場所を
誰かに伝えたがっているんだよ
宙に浮いたままの心はひどく照れ屋で
頬が赤くなるのを隠せない
いうなれば僕らは流れ星のような命
絶え間なく暗闇に吸い込まれていく光
朝を待つように 夜を待つように
誰かの帰りを待つように
静けさの中に音を探したり
ほんの少しの夜の肌寒さの中に
小さなぬくもりのかけらを探したりしてる
この夜のどこかに 朝の片鱗を探してる
この世界のどこかで
どうしようもなく明ける夜を受け入れようとしている。