詩人:どるとる
傷つけることと 愛することは同列だろう
気持ちいいことと痛いことも似ている
ほらね ばかのひとつ覚えのように
愛してるばかり繰り返していたって
きっと本当に誰かを愛したことにはならない
だから僕は愛する人を程ほどに傷つけながら 抱きしめる
赤く熟した果実の甘さは偽り
水蜜桃のようなその素肌に刻み込む 傷跡はなんと綺麗なのか
愛は 醜いほうがちょうどいい
互いに傷つけあいながら
時に 疑いあって 罵ったりもして
高くそそり立つ枝の先、実った
柘榴のような醜悪なその容姿
愛は本当はもっと醜くって
食べることさえためらわれるくらい
腐りきった 悪臭放つものなのさ
それを人はきれいごとでいつも隠しているだけ
いい部分だけを 見せているだけだ。