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[184970] 柘榴

詩人:どるとる


傷つけることと 愛することは同列だろう
気持ちいいことと痛いことも似ている
ほらね ばかのひとつ覚えのように
愛してるばかり繰り返していたって

きっと本当に誰かを愛したことにはならない
だから僕は愛する人を程ほどに傷つけながら 抱きしめる

赤く熟した果実の甘さは偽り
水蜜桃のようなその素肌に刻み込む 傷跡はなんと綺麗なのか

愛は 醜いほうがちょうどいい
互いに傷つけあいながら
時に 疑いあって 罵ったりもして
高くそそり立つ枝の先、実った
柘榴のような醜悪なその容姿
愛は本当はもっと醜くって
食べることさえためらわれるくらい
腐りきった 悪臭放つものなのさ

それを人はきれいごとでいつも隠しているだけ
いい部分だけを 見せているだけだ。

2014/05/13 (Tue)
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