詩人:どるとる
僕とあなたの前に引かれた境界線は
きっと 僕にしか見えてないんだろう
他人より自分のほうが勝っていたくて
他人の良さより 落ち度をまず先に探す
揚げ足をとるのに今日も忙しい
人は誰も 弱さの塊
だけどその弱さに打ち勝てるだけの強さも持っている
たとえば僕が 何もしなくたって
君は 簡単にその境界線を越えてくるんだ
そしてそれはもう図々しいほどに
君は 僕の前に手を差し伸べるんだろう
その手を とったとき僕にはもう
境界線なんて 必要なくなっていたんだ
だって心の距離は隙間を空ける余裕もないほどに縮まってたから
いつの間にかあるはずもない壁を
僕は 人との間につくっていたんだろう
なるべくなら面倒は避けたくって
輪の中に 入るのが好きじゃなかった
そのくせ孤独に気づくとすぐ寂しがる
人は誰も 孤独の塊
誰も他人とは分かち合えない部分を隠し持っている
たとえば僕が 愛というものがこの世界にあるなら
それは 君がくれる優しさだったりするんだろう
うまく言葉に出来ないけれど
それはあつかましいほどに 君は僕を抱きしめるんだろう
そのぬくもりに包まれたときに
僕は大事な何かを知った気がしたんだ
だって、疑う余地など無いほどに君は僕のすべてを好きだと言ってくれるから
たとえば僕が 何もしなくたって
君は 簡単にその境界線を越えてくるんだ
そしてそれはもう図々しいほどに
君は 僕の前に手を差し伸べるんだろう
その手を とったとき僕にはもう
境界線なんて 必要なくなっていたんだ。