詩人:どるとる
僕は見えない いろんなものを見つめてる
僕は聴こえない いろんなものを聴いてる
それはそうだな
たとえば風のようなもので
つかめもしなければふれることさえできないけど 確かにここにあるんだ
ふいにふわっと 生まれた小さなつむじ風
やがて なりを潜める
たまに洗濯物を揺らしたり 頬ずりしたりしながら
与えられた時間の中 絶え間なく明日へ吹いてゆく
僕は わからない 僕である意味さえ
僕は知ることはない このままいつまでも
それはそうだな
たとえば闇のようなものさ
どこからがはじまりでどこまでが終わりなのかさえわからないけど
確かに僕は生きているんだ
ふいにふわっと 舞い上がった小さな綿毛
やがて 旅に出るんだ
泣いたり笑ったり たまに怒ったりしながら
残された 時間の中 可憐に咲いているのさ
ふいにふわっと 生まれた小さなつむじ風
やがて なりを潜める
たまに洗濯物を揺らしたり 頬ずりしたりしながら
与えられた時間の中 絶え間なく明日へ吹いてゆく。