詩人:香奈
未来に希望が
持てなかった
将来なんて
考えたくなかった
だから逃げた
好きなだけ食べて
好きなだけ寝て
めんどくさい事なんか
絶対やりたくなくて
運動なんて
これっぽっちも
やらなかった
その結果
100kgを越す肥満に
それでいいと思ってた
これでいいと…
糖尿病とか
病気になって
死ねるならと
思ってた
ある日
親に言われて
ブツクサ思いながら
バイトの面接を受けた
『ニートではない』
という事だけが
受かりたい理由だった
働いているという事実だけが欲しかった
奇跡的に受かり
働き始めた
驚くほど
そこの人達、上司達は
優しかった
何より
褒めてもらえた
『上手く出来てるね』
『綺麗にやるよね』
『作業早いね』
気持ちが落ち込んで
休んでしまった時も
『悩みがあるならいつでも聞くからね』
落ち込んで
それでも頑張って
作業をした時は
『頑張ってくれたね!ありがとう!』
『偉い偉い!』
少しずつ
少しずつ…
…
そんな時
肥満が原因で
腰痛を患い、更に風邪を引いてしまった
上司と何度も電話で
話をして
『〇〇ちゃんがどうしたいかだよ。
こっちで勝手に決められないから』
私は…
私は……
『私はここで働いていきたいんです
辞めたくありません
続けたいです。
治して、ちゃんと
働いていきたいです』
それから
ダイエットを
本気で始めた
今まで運動なんて
しなかったのに
食事制限もした
ウォーキングをした
チャリで長時間
走った
今はマイナス20kg
でもまだ完全に腰痛は
治っていない
だけど
私は諦めない
『死』しか
望まなかった私を
救ってくれた
手を差し伸べてくれた
上司や皆さんと
私は『生きて』働いていきたい