詩人:どるとる
何かを重ねるように
何かを紡ぐように
終わらない繰り返しの中で
僕らはほころびの先をつまんで
自ら望まず手繰り寄せる終わりを
いわばこの世界は
ひとつの毛糸玉
そして僕らは
その毛糸玉からほつれた小さく細い糸屑
僕は今の心を紐解く言葉を持たない
悲しくて うれしくてどこか切なくって
季節が巡るたびに想うんだ
僕はまたひとつ歳をとって
終わりに少しだけ近づいたんだなと
昨日と今日を
重ね合わせてみるけど
似てるようで違うからね
合うはずもないよ 同じ景色でも
起こりうる出来事さえ違うから
ねえ 息をしてそして 吐き出す行為は
いつまで 僕らは
出来るんだろう
当たり前なことも永遠じゃないんだ
僕は目を閉じて暗闇を抱きしめた
心地よくて 痛々しくて 生きることはね
どんな人も同じ 悲しみと喜びを背負う
僕はまた ひとつ何かを知って
何かを忘れてく 遠い昔に見たあの夢
それは もう手の届かない幻
僕は けして引き返せない道を歩いてる
悲しくて うれしくてどこか切なくって
季節が巡るたびに想うんだ
僕はまたひとつ歳をとって
終わりに少しだけ近づいたんだなと
進んでいるようで
僕は 鞘を刀に納めるように もといた場所に戻っていくんだと。